失敗。
2011.03.02 Wednesday | 日常
滑り込み更新にすら失敗してしまいました;
二月があっという間に過ぎ去り吃驚です。そんな馬鹿な……っ!
更新するにはまだもう少し時間が掛かりそうなので、<魔女>の次回更新分をちょろっとここに載せてみますー;
見てやろうという方は続きを読むよりどうぞです。
MEMO話
おやすーみ。
業務連絡
特になーし。
↓以下より魔女<23>の冒頭をちょこっと。
二月があっという間に過ぎ去り吃驚です。そんな馬鹿な……っ!
更新するにはまだもう少し時間が掛かりそうなので、<魔女>の次回更新分をちょろっとここに載せてみますー;
見てやろうという方は続きを読むよりどうぞです。
MEMO話
おやすーみ。
業務連絡
特になーし。
↓以下より魔女<23>の冒頭をちょこっと。
<魔女のルール・23>
違和感、なのだと思う。その正体にはっきり確信があるわけじゃ、ない。
それでも――最悪の事態ってやつは、かくも突然やってくる、らしい。
彼女は、多分……。
「あいにくと縛られて犯されるような趣味はナイ。どけ」
……は?
めったなことで感情の起伏を感じさせない柊一路の態度は、どんなときでも健在だった。
内容の衝撃度をまるで感じさせない淡々とした言いっぷりに、たっぷり二拍は考えた後、慄いた。
し、縛られ……!? 犯さ!? ちょ……っ、なにしてんの!?
慌てて柊一路の手足をみれば、通常の人には不可視であろう拘束具が確かに絡み付いている。
繊細に編まれた力の結晶はレースのようにみえるけど、柊一路の手首と足首を包みこみ、コンクリートの床にがっちり固定していた。
「たまには変わった趣向も楽しいと思いますよ、先輩。ね、身も心もとろけるような快楽を差し上げますから」
「イラナイ」
きっぱりと。うんざりした感すら漂わせて柊一路が拒絶する。そこには少しの迷いも感じられない。
……ああ、間違いなくアナタはS属性ですものね……。そりゃ、幾ら誘われてもこの状況じゃ落ちないだろう。
柊一路に対するアプローチの仕方を完璧にミスってますよ、とちょっとだけ彼女に助言したくなった。
いや、相手もそのへんは心得ていながら、敢えてこの状況なんだろうけど。
「つれないんですね、彼女への義理立て?」
「義理立て?」
柊一路の口元に、相手を小馬鹿にしたような色がにじむ。
「違うんですか?」
「アイツにのしかかられる方が、あんたにされるよりイイからだヨ」
「ふぅん……妬けますね。――ねえ、どう? 彼女としては嬉しい?」
柊一路を見つめたままでいる端整な顔の中で、艶やかな唇だけが動く。
どくっと心臓が跳ねた。
はっとしたように彼女を見返した柊一路も、当然気づいたのだろう。
最後の問いかけは、間違いなく私にたいしてだってことに。
まあ、あれだけ派手に結界をぶち壊せば、ね。気づかれてないだろうなんて思っちゃいなかったけど。
……まてよ。それじゃあ、彼女への義理立て云々の彼女って、もしかして私のことか?
となると、柊一路の言ったアイツっていうのも私のことで――ちょっとまてええぃっ、私がいつどこでどんな理由でアンタにのしかかった!
完璧なまでに部外者として聞いてたってのに、私ってば話題の当事者じゃないのさ。
そうとわかっていればもう少し心構えもできたってのに。
どうする、かな。ここは素直に出て行くべきか、否か。
「……出てきて、くれないのね」
私が迷っていたのは、そんなに長い時間ではなかったと思う。が、どうやら彼女はたいそう気が短いらしい。
残念そうに呟いた後、その細い指が柊一路の首にかかった。ゆっくりと力が入っていく様がみてとれる。
形のよい柊一路の眉が顰められる。か細い女性の力じゃ到底ありえないくい込みかたをする指先を見て、血の気が引いた。
まずい、それは、とってもまずいっ。
本気で首の骨をへし折りそうな勢いに、思わず足が動く。
彼女がいままで柊一路を狙っていた犯人だとすると、いまここで柊一路の命を絶つことに躊躇するとは思えない。
なんだって告白なんてものをした挙句に命を狙ったりするのか、まったく理解しがたいが、それすらも全部、暇つぶし程度のものだったと思えば納得できないことも、ない。
彼女ら……彼らは、概して気まぐれだ。
「でてくる、ナ……っ」
何の策を講じる暇もなく、ただ飛び出そうとした私を、柊一路の絞り出すような声が押し止めた。
一瞬、足がとまる。
「先輩は、黙っていて?」
喉を締め付けている指にぐっと力がこめられたらしく、柊一路がごふっと嫌な咳き込み方をする。
……っ、出てくるな、なんて……おとなしくきけるわけないでしょ!
がつっと床を蹴り、相手に私の姿がすべてみえるよう壁から離れる。
「ご要望どおり出てきたわよ。――ところでそれ、何プレイなわけ?」
右手をスカートのポケットに突っ込み、左手を腰にあてて呆れた風を装う私を、彼女の冷たい瞳がとらえた。
検分するようにじろじろとみられるのは、気分がよくない――なんてもんじゃ、ない。
微かにとはいえ、指先が震えてる。自分の弱気をぎゅっと拳の中に握りこみ、彼女に組み敷かれている柊一路の様子をうかがう。
首に回されたままになっている両手はそのままだけど、私に注意が向けられたせいか力の入れようはだいぶ緩んだようだ。
その分余裕ができたっぽい柊一路は、無言でこっちをにらんでいた。
き、機嫌悪っ……、でもさ、助けに来たってのに、なんでにらまれにゃならんの、意味わからんわ。
>>ここまでですー。
違和感、なのだと思う。その正体にはっきり確信があるわけじゃ、ない。
それでも――最悪の事態ってやつは、かくも突然やってくる、らしい。
彼女は、多分……。
「あいにくと縛られて犯されるような趣味はナイ。どけ」
……は?
めったなことで感情の起伏を感じさせない柊一路の態度は、どんなときでも健在だった。
内容の衝撃度をまるで感じさせない淡々とした言いっぷりに、たっぷり二拍は考えた後、慄いた。
し、縛られ……!? 犯さ!? ちょ……っ、なにしてんの!?
慌てて柊一路の手足をみれば、通常の人には不可視であろう拘束具が確かに絡み付いている。
繊細に編まれた力の結晶はレースのようにみえるけど、柊一路の手首と足首を包みこみ、コンクリートの床にがっちり固定していた。
「たまには変わった趣向も楽しいと思いますよ、先輩。ね、身も心もとろけるような快楽を差し上げますから」
「イラナイ」
きっぱりと。うんざりした感すら漂わせて柊一路が拒絶する。そこには少しの迷いも感じられない。
……ああ、間違いなくアナタはS属性ですものね……。そりゃ、幾ら誘われてもこの状況じゃ落ちないだろう。
柊一路に対するアプローチの仕方を完璧にミスってますよ、とちょっとだけ彼女に助言したくなった。
いや、相手もそのへんは心得ていながら、敢えてこの状況なんだろうけど。
「つれないんですね、彼女への義理立て?」
「義理立て?」
柊一路の口元に、相手を小馬鹿にしたような色がにじむ。
「違うんですか?」
「アイツにのしかかられる方が、あんたにされるよりイイからだヨ」
「ふぅん……妬けますね。――ねえ、どう? 彼女としては嬉しい?」
柊一路を見つめたままでいる端整な顔の中で、艶やかな唇だけが動く。
どくっと心臓が跳ねた。
はっとしたように彼女を見返した柊一路も、当然気づいたのだろう。
最後の問いかけは、間違いなく私にたいしてだってことに。
まあ、あれだけ派手に結界をぶち壊せば、ね。気づかれてないだろうなんて思っちゃいなかったけど。
……まてよ。それじゃあ、彼女への義理立て云々の彼女って、もしかして私のことか?
となると、柊一路の言ったアイツっていうのも私のことで――ちょっとまてええぃっ、私がいつどこでどんな理由でアンタにのしかかった!
完璧なまでに部外者として聞いてたってのに、私ってば話題の当事者じゃないのさ。
そうとわかっていればもう少し心構えもできたってのに。
どうする、かな。ここは素直に出て行くべきか、否か。
「……出てきて、くれないのね」
私が迷っていたのは、そんなに長い時間ではなかったと思う。が、どうやら彼女はたいそう気が短いらしい。
残念そうに呟いた後、その細い指が柊一路の首にかかった。ゆっくりと力が入っていく様がみてとれる。
形のよい柊一路の眉が顰められる。か細い女性の力じゃ到底ありえないくい込みかたをする指先を見て、血の気が引いた。
まずい、それは、とってもまずいっ。
本気で首の骨をへし折りそうな勢いに、思わず足が動く。
彼女がいままで柊一路を狙っていた犯人だとすると、いまここで柊一路の命を絶つことに躊躇するとは思えない。
なんだって告白なんてものをした挙句に命を狙ったりするのか、まったく理解しがたいが、それすらも全部、暇つぶし程度のものだったと思えば納得できないことも、ない。
彼女ら……彼らは、概して気まぐれだ。
「でてくる、ナ……っ」
何の策を講じる暇もなく、ただ飛び出そうとした私を、柊一路の絞り出すような声が押し止めた。
一瞬、足がとまる。
「先輩は、黙っていて?」
喉を締め付けている指にぐっと力がこめられたらしく、柊一路がごふっと嫌な咳き込み方をする。
……っ、出てくるな、なんて……おとなしくきけるわけないでしょ!
がつっと床を蹴り、相手に私の姿がすべてみえるよう壁から離れる。
「ご要望どおり出てきたわよ。――ところでそれ、何プレイなわけ?」
右手をスカートのポケットに突っ込み、左手を腰にあてて呆れた風を装う私を、彼女の冷たい瞳がとらえた。
検分するようにじろじろとみられるのは、気分がよくない――なんてもんじゃ、ない。
微かにとはいえ、指先が震えてる。自分の弱気をぎゅっと拳の中に握りこみ、彼女に組み敷かれている柊一路の様子をうかがう。
首に回されたままになっている両手はそのままだけど、私に注意が向けられたせいか力の入れようはだいぶ緩んだようだ。
その分余裕ができたっぽい柊一路は、無言でこっちをにらんでいた。
き、機嫌悪っ……、でもさ、助けに来たってのに、なんでにらまれにゃならんの、意味わからんわ。
>>ここまでですー。
Comment
Comment Form